弛んだ輪郭を撫でさする
水温が下がってゆくままに
箔押しの装丁を抱いて
うろの中で水の音が
鐘のようにはねまわり
反響がまとわりついて
瞼から首筋まで膜を張る

無垢な小鳥は
足先に銀の粒を落として死んでいく
その亡骸を真っ白な指でついては
ささめきのようにわらう少年と

体は光を運び
指は血の巡りをなぞる
かたいキスの先の乾燥標本
そっと名前をつけてあげよう
水脈の香りの立ち昇るまま



'11 0824 : L'oiseau mort