とめどなく移り変わる
黄昏の色を掬いとり
硝子球に閉じ入れ
息をひそめれば
震えるほどの沈黙が
からだを駆け巡り
ゆびさきにひと雫
光のごとく燈るのは残骸
鐘の音とともに毀れた

夜へ架かる銀紗のとばり
夜間飛行、
白く浮かび上がり
たがえてはむすぶ
幾許もの星の死
いつかよみがえるのだろう

幸福な安堵の底知れぬ淵に
伽藍のからだをしずめるような
原初の輪郭へ回帰する
あらたかな感覚

一面に共鳴する
声なきもののささめき
ゆすぶられてはめざめて
この真なる孤独のみが
僕らをいつくしむまなざしだった

いつだってそう
気づけば
あの流れ落ちる彗星に
世界は二分されてゆく
かたわれのために顔を歪めて泣くひとは
もうここにはいなくなってしまった
それなのに未だ
僕は茫然と立ちすくみ
かげろうのようだ
ただ目前の黎明をみつめている



'10 0306 : 残響