歯車の歯たがえて火の星散った
交差点往来に飛火して
すれ違うさなかの
それがいつであったかもしらない
風立ちぬ
それだけのことに震えるだろう

ふたりあつく合わせた額の罅
曇日の夜の底に睫毛ほどのかげり
座席の窓は
時速100キロの美術館
星の運行がまたずれる

オーラ・リー オーラ・リー
どうやってもオーロラにはならないカーテンと
いつも最後まで聴かないソナタの結尾
これだけが未知
これだけが人生

オーラ・リー オーラ・リー
運行をたがえ続けるだけの
一瞬の連続
きぬぎぬのまたたき
それを暁と呼んでくれる
それだけの君に泣くだろう


'13 0522 : Xという名の女 Godard - Carmen X