深夜シャンデリアの爆発
すべて蕾のままの茴香を焼いた
そのための燭台

何も語れない胸で抱く険しい手
電線に新月も砕けたあとのまつり君の静脈
鼓動きわまって海につづく
ただうなてのそこ私の半身
さても託すべき慰みひとつない

こなごなのプール水面の玻璃
踏み抜いたここから罅ひらく夏の光沢
綺麗な死骸ばかり浮かぶ
きれぎれの肺に
どうか君の好きな音楽を流せ

流れた血の紺青をひいた
それも君と私の行く末の生ける静けさ
くちづけは酸味ばかりする
今どこの国がほろびた
この恋が誰をあやめる

深夜プールに火の星の落下
ゆらりと茴香の灰ひとかかえ
燭台の炎さいわいきわまって星座を得る

恋得るはさてもやさしい
憎み切れるならどうかこの胸
ともに千々にちぎれた心臓の末
やっとふたり同一の化け物



'13 0409 : メノラ