路傍に酸漿の実が
ひとつ落ちていた

睫毛の影
黄昏時に震える飴色の

懐で翳した
さかしまの風の流れを映さないかと
鈴の音もなく
からりからり
蹴飛ばして

丸い膜の内側に吐息
生み出された金魚の屍
空に水泡を散らし
血にみまごう
その一点の灯りとともに泳ぐ

岸辺に辿り着いたら手を伸べて
真空のようにはりつめた
盲の指で
夜の訪れの罅を
上手く繕っては
破裂とともに
朝に還るだろうか



'11 0826 : 夜半楽