遠国の無人の街

就航図の白線は
あさがおの花びらに
5本のびた
君が割ったグラスの
ひびみたいな
てざわりね

行き止まりを曲がる足音や
水路を駆けていく波紋
ふりかえって
ふりかえって

どこにもないどこかの切なさに
いのちの限りを置き忘れてしまう

朝顔が降る
あおい
あおい
無人の街

花びらに5本
切り抜かれたひとかげ

君が割ったグラスの
罅みたいな
どこにもないどこかを
切りがなく
なぞっているね

ふりかえった僕の
背後で夏が終わっている



'16 0904 : SUMMER OF NOWHERE